治療と手術
子宮がんの治療と手術
ここでは、子宮がんの治療と手術についてご紹介します。以下に代表的なものをご紹介します。これから治療を受ける人は参考にしてみてください。
ごく早期の子宮がんの治療
子宮がんの治療は、手術による治療が中心ですが、ごく早期のがんで、子宮を残したいと患者が希望する場合は手術以外の治療法が行われることがあります。
| 種類 | 内容 |
| 早期子宮頸がんの治療 | ・凍結療法:がん細胞を凍らせる方法 ・ 高周波療法:高周波でがん細胞を殺す方法 ・ レーザー療法:レーザー光線でがん細胞を殺す方法 |
| 早期子宮体がんの治療 | ・ホルモン療法:出産を望む場合や閉経前などに行われる治療法です。子宮体がんの発症には女性ホルモンのエストロゲンが過剰に出すぎていることが関与していると考えられているため、エストロゲン過剰を解消するプロゲステロンをというホルモンを補うことで、がん細胞を破壊します。この治療法はエストロゲンを下げる目的で行われるため、閉経している場合は適応されません。なお、ホルモン療法は再発予防、あるいは抗がん剤による治療が不可能な方に適応されることもあります。副作用は、不正出血や血栓症、むくみなどがありますが、抗がん剤によるものほどきつくでることはありません。ホルモン療法は、以前に血栓症を起こしたことがある方、脳梗塞や心筋梗塞などの既往歴のある人、そのほか合併症がある人は適応されません。 ・全面掻爬:ホルモン剤を内服しておいて麻酔下で内膜をこすりとる方法です。2ヶ月ごとに3回ほど行います。がんが機能層か基底層に限局していることが条件です。 |
手術の種類
手術の方法は、子宮頸がんと子宮体がんで少しずつ異なりますので、ここでは別々にご紹介します。
子宮頸がんの手術
| 手術 | 内容 |
| 子宮頸部円錐切除術 | 子宮頸がんのごく早期のがんに行われる治療法で、がんの部分を高周波電気メスやレーザーで円錐型に小さく取り除くだけの簡単な手術です。この手術は子宮を摘出しないため、手術を行っても妊娠・出産は可能になります。しかし、流産する可能性はほんの僅かですが手術をしていない方と比べて多いようです。また、がんが再発する可能性も強く残ります。 円錐手術では局所麻酔で十分ですが、多くの患者は無意識状態での手術を希望するため静脈麻薬が用いられることもあるようです。入院も本来必要ではないものの、病院によっては長くて2週間程度入院させることもあるようです。 |
| 単純子宮摘出術 | 円錐切除でがんをとりきれない場合には、この手術が行われます。この手術では、子宮だけをを全て摘出することになります。卵巣はとる必要はありません。 |
| 広汎子宮全摘出術 | 広汎子宮全摘手術は、子宮、子宮の周囲、膣の一部、周囲のリンパ節を切除する手術です。子宮をとるだけでは治すことができない場合に用いられます。
なお、状態によっては骨盤リンパ節の切除だけですむ「準広汎子宮全摘出術」が行われることもあります。 |
| 骨盤内臓全摘術 | がんが女性性器外にひろがっており、手術による治療が見込める場合は、子宮・膣とともに下部結腸・直腸・膀胱などを切除する手術を行います。手術後には、回腸を用いて人工的に尿路を確保する回腸導管、造膣術などの手術が必要になります。 |
子宮体がんの手術
| 手術 | 内容 |
| 単純子宮摘出術 | 子宮体がんの基本となる手術です。この手術では、子宮を全て摘出することになります。年齢が若い場合は、卵巣はとる必要はありません。閉経後の女性では、卵巣がんや卵管がん予防のために、卵巣・卵管などの付属器も一緒に切除するのが一般的です。 |
| 広汎子宮全摘出術 | 子宮、子宮の周囲、膣の一部、リンパ節を切除する手術です。 子宮をとるだけでは治すことができない場合に用いられます。なお、状態によっては骨盤リンパ節の切除だけですむ準広汎子宮全摘出術が行われることもあります。 |
放射線治療
放射線治療は、がんの治癒、術後の再発予防、症状の緩和などを目的をして行われます。近年この治療法の精度が上がってきており、手術と同じくらい効果があるといわれています。とくに、子宮頚がんでは治癒を目的として手術と並んで治療の有力な選択肢になります(ただし、癌の状態によります)。治療効果もさることながら、子宮や卵巣が温存可能(機能温存ではない)で、からだの負担が少なく、手術が困難な場所でも治療ができるので、多くの患者が治療の過程で放射線治療を受けることが多いようです。なお、放射線療法では卵巣そのものは温存可能ですが、機能は失われるので妊娠は不可能になります。卵巣機能を維持したい場合は、放射線治療の前に卵巣をお腹の上のほうに移動する手術を行い、機能を温存する方法があります。
ただ、放射線治療を行うと、むくみ、下痢、尿の障害、性行為時の痛みなどの副作用をおこす場合があります。また、術後の照射では合併症などが悪化することもあります。治療においては、これらの欠点を十分に理解したうえで治療に臨みたいものです。
放射線治療は、毎日同じ部位に決まった方法で照射されます。「子宮・卵巣がんと告げられたとき(まつばらけい 大島寿美子著)」)によると、通常の治療では、週5日、毎日1回ずつ治療が行われ、5週間ほど続けられるとされています。
放射線治療の種類
放射線照射の方法は、がんの進行度や患者の状態によって異なります。
| 種類 | 特徴 |
| 膣内照射 | アプリケーターと呼ばれる特殊な細長い容器に詰められた放射線物質を、子宮や膣の中にいれ、がんを破壊する方法です。アプリケーターは通常3本で、1本は子宮の奥、2本は子宮の入り口近くに入れます。治療時間は、放射線物質の量によって異なり、約20~40時間(放射線物質が少ない)の場合と約5~15分(放射線物質量が多い)の場合があります。 |
| 外照射 | 外から放射線を骨盤に照射する方法です。 |
放射線専門医の意見を聞こう
上記でご紹介しました「子宮・卵巣がんと告げられたとき(まつばらけい 大島寿美子著)」)では、放射線専門医の意見が詳しく述べられています。書籍のなかで重要なポイントを当サイトでご紹介しますと、「がんがどの状態のときに、放射線・手術のどちらを選択するかは、医者(婦人科)の意見によって異なってくる」ということです。主治医に手術と判断されても治療のファーストチョイスとして放射線療法を選択できることがあるかもしれません。そのため、なるべく放射線科医にも意見を求めるとよいということがこの書籍に記載されています。とくに、できれば手術を回避したいという方は、放射線専門医に意見を求めるようにしてください。放射線治療についてもっと詳しく調べたい場合は、この書籍の一読をオススメします。
なお、手術と同様、あるいはそれ以上の治療効果を放射線治療にて行う医師の数はそれほど多くないといわれています。かかりつけの医師が信頼できるのであれば、放射線に詳しい専門医を紹介してもらうといいでしょう。
※上記の放射線治療に関する情報は、当サイト闘病記にてご紹介させて頂いております「たらったら♪生活」管理人fuupu様のご協力により編集致しました。fuupu様ありがとうございますm(_ _)m
薬物治療
抗がん剤による治療です。転移があって手術や放射線治療でも治療が難しい場合や、再発してしまった場合、がんを小さくする目的で手術の前などに使用されることがあります。投与の方法もさまざまで、注射や点滴、動脈からカテーテルを通して流し込むこともあります。期間も人によってさまざまです。
抗がん剤治療を受ける際には、薬剤名、投与量、スケジュール、副作用などを医師からきちんと説明を受けるようにしてください。
なお、抗がん剤による治療の専門医は、腫瘍内科医です。ただ、このような専門医は、大学病院などの大きな病院にまれに在籍しているだけで、極めてまれです。専門医による治療を受けたい方は、産婦人科のなかにある婦人科腫瘍を専門にしている腫瘍内科医を探すといいでしょう。
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